令和4年2月市議会定例会市長施政方針

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ページ番号1012180  更新日 令和4年4月15日

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写真 市長施政方針読み上げ

2月22日に行われました令和4年2月市議会定例会において、市長が施政方針を述べました。

1.はじめに

 令和4年2月市議会定例会が開催されるにあたり、私の市政運営についての所信を述べさせていただくとともに、令和4年度の施策の概要を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆様の御理解と御協力をいただきますよう、お願い申し上げます。

伊豆山土石流災害からの復興と長期化するコロナ禍を乗り越えていく年

 令和3年7月3日に発生した「熱海市伊豆山土石流災害」は、かつて熱海市が経験したことのない、未曾有の大災害となりました。
 多くの尊い命が犠牲になるとともに、住民の皆様にとってかけがえのない故郷が一瞬で失われました。7カ月以上経った今でも、被災地と人々の心に大きな傷を残したままです。
 発災から今日まで、市内はもとより全国から、暖かく力強い御支援をいただきながら、被災された皆様の生活支援、被災地域の復旧、そして土石流の原因究明などに取り組んでまいりましたが、被災された皆様が以前のような日常生活を取り戻すまでには、まだまだ時間がかかると思われます。
 こうした中、令和4年度は、被災された皆様の考えを聴かせていただきながら、復旧から復興へ歩を進め、傷付いた伊豆山の地の再生に全力で取り組んでまいります。併せて、土石流の原因究明についても、引き続き進めてまいります。
 一方、国内外へ目を向けますと、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進みながらも、既に3年目に入って長期化するコロナ禍からの脱却が果たせない状況が続くことにより、市内事業者は疲弊し、市民生活も困窮しています。
 現在、このような厳しい社会・経済状況にありますが、だからこそ将来を見据え、「熱海2030ビジョン」でお示しした、経済の持続的発展と豊かな市民の暮らしを実現できる、温泉観光地の全国モデルの具現化を目指し、今後の重点施策の実施を図っていく必要があります。
 私は、熱海市は今、「伊豆山土石流災害」と「コロナ禍」という、非常に大きな二つの課題を同時に抱え、熱海の歴史の中でも稀なる苦境にあると認識しています。
 市長就任以来、財政再建、観光振興、教育・福祉施策の充実など様々な課題に取り組んでまいりましたが、私はこの苦境に正面から向き合い、全身全霊で取り組んでいく覚悟です。そして、これまでの市長としての経験や人的ネットワークなど自らの持てるものを総動員し、取組みの先頭に立ってまいる所存です。
 どうか、この熱海の難局を乗り越え、伊豆山の復興とコロナ禍の先にある新たな時代を切り拓いていくため、市民、産業界、そして議員の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

2.令和4年度の重点施策

(1) 伊豆山土石流災害からの復旧・復興

 令和3年7月の伊豆山土石流災害は、伊豆山地区に甚大な被害をもたらしました。被災された皆様の一日も早い生活再建に向け、インフラの整備や事業者への支援に取り組んでまいります。
 また、静岡県と連携しながら、継続して課題となっている盛土の対応を着実に進めてまいります。

1.復興まちづくり計画の策定

 いまだ多くの被害が残る伊豆山地区の復旧、生活再建に向け、逢初川改修事業と連携した復興まちづくりへの取組みとともに、伊豆山地区の将来に向けた課題解決が求められております。こうした背景を踏まえ、被災された皆様と大きな方向性を共有する「伊豆山復興基本計画」、早期の生活再建と地区の課題解決に資する「伊豆山復興まちづくり計画」、具体的なまちづくり事業に展開させる「伊豆山復興事業計画」を策定し、伊豆山地区の復旧・復興を速やかに実施してまいります。
 計画の策定にあたりましては、地域の皆様の御意見を伺いながら、進めてまいります。

2.被災者見守り・相談支援

 伊豆山土石流災害により応急仮設住宅等に移り住んでいる被災者の皆様は、発災前とは大きく異なった環境下での生活を送っておられます。
 令和3年10月に開設した「熱海市伊豆山ささえ逢いセンター」では、被災者の皆様が一日でも早く安心した日常生活を取り戻せるよう生活支援相談員を配置し、訪問活動を中心に見守り・相談支援を継続して実施するなど、引き続き伴走的な支援を行ってまいります。

3.逢初川沿い市道再整備、用地購入

 逢初川流域の復旧・復興に向けて、逢初川沿い市道の再整備を、静岡県が進める逢初川改修事業と同時期に実施し、被災地の中核となる道路整備を進めてまいります。

4.災害廃棄物、土砂の処理

 被災地から笹尻仮置場に集積された災害廃棄物等につきましては、その素材ごとに分別し、リサイクルや焼却するなど適正な処分を進めてまいります。また、今後本格化する被災家屋等の公費解体による災害廃棄物等に関しましても、周辺の環境に影響が出ないよう適切に管理し、処分してまいります。
 災害で発生した土砂につきましては、熱海港海岸環境整備事業の埋立て材として活用しておりますが、仮置場近隣の皆様の早期の負担軽減のために、これを速やかに進めてまいります。また、この事業に併せて、多賀地区の高潮対策の推進も、静岡県に要望してまいります。

5.災害派遣職員の確保

 伊豆山土石流災害からの復興をいち早く実現していくため、静岡県をはじめ、浜松市、富士市、伊東市からそれぞれ1名ずつ、合わせて4名の技術職員を派遣していただき、道路の工事設計業務、用地関係業務及び復興まちづくりに関する国や静岡県との連絡調整などに従事していただく予定です。現状、熱海市の技術職員の数が限られる中で御協力をいただくことで、復興への取組みがより円滑に進むものと期待をしております。また、職員を派遣いただく静岡県及び各市に対しましては、改めて御礼を申し上げます。

6.消防ポンプ自動車の購入

 伊豆山地区を管轄する消防団第四分団消防ポンプ自動車につきましては、伊豆山土石流災害により被害を受けたことから、新たに車両を配備し、必要な消防力の確保に努めてまいります。

7.被災事業者復旧支援

 伊豆山土石流災害により、伊豆山地区内に所在する多くの事業者が被災しました。被災された事業者の事業活動の再建に向けては、令和3年9月に静岡県により「被災中小企業復旧支援事業費補助金」を創設していただきました。これは、被災者のニーズに応じて柔軟に制度設計が可能である国の支援メニュー「自治体連携型補助金」を活用したものであり、被災直後から事業者の相談等を積極的に行っていただいた経済産業省中小企業庁の支援により実現したものです。熱海市としては、この制度を活用した被災事業者の早期再建を後押しすべく、補助対象事業費の4分の1にあたる自己負担分の一部や、この制度や他の国の補助金でカバーできない部分の一部を支援してまいります。
 伊豆山港の漁業者に対しても、被災した船舶の復旧を支援するため、同じく静岡県により令和3年12月に創設された「被災漁船復旧支援事業費補助金」における4分の1の自己負担分の一部を支援していくとともに、近海漁場再生のため水産資源の放流事業を行ってまいります。また、農業者に対する支援につきましては、警戒区域の解除の目途が立った段階で改めて検討してまいります。
 令和4年1月から大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送が始まりました。これにより源氏・北条氏にゆかりの深い伊豆山神社を中心に熱海市、伊豆エリアへの関心・興味が高まっております。今後、伊豆山地区の復旧・復興の状況に合わせながら、観光客の誘致に向けたプロモーションの強化にも取り組んでまいります。

(2)コロナ禍における対策

 いまだに収束が見通せないコロナ禍において、市民一人一人が安心した生活を送るための様々な支援を行うとともに、安定した市内経済を取り戻せるよう対策を講じてまいります。

1.新型コロナウイルス感染症に係る予防接種経費/自宅療養者等への支援

 令和2年1月に国内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されてから2年が経ちますが、その間にウイルスは何度か変異しながら流行をもたらし、いまだ収束に至っておりません。新型コロナウイルス感染症の発症と重症化をできる限り減らし、同感染症のまん延防止を図る目的で実施しております新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、令和4年2月から国の方針に沿った形で、2回目の接種を完了した方へ追加接種となる3回目の接種を中心に進めているところです。令和4年度は追加接種や、5歳から11歳の小児への初回接種を実施してまいります。
 また、陽性者数の増加に伴い、自宅で療養される方も増えております。陽性者や濃厚接触者は一定期間外出が制限されることから、家族や親族などからの支援が受けられない場合には、食料品などの確保が難しいことが想定されます。そのような方が、安心して療養生活を送れるように、療養期間に必要な食料品や衛生用品をお届けする支援を行ってまいります。

2.生活困窮者自立支援

 新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の縮小や雇用環境の悪化等、生活困窮になりうる状況となっている方への支援を引き続き実施してまいります。
 生活困窮者への自立支援金につきましては、国の予算措置により再支給が可能となったことから、支給対象者への周知を行い支援の手が確実に届くよう努めてまいります。
 また、令和3年度から市民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給事業が始まっております。令和3年度分の市民税非課税世帯及びコロナ禍による家計急変世帯に対し、臨時特別給付金の支給を進めることにより、生活が困難な状況にある世帯の経済的負担の軽減につながるよう支援してまいります。

3.コロナ禍における経済対策

 新型コロナウイルス感染症による市内経済への影響は、令和2年2月頃から宿泊客の減少という形で顕著となり、2年にも及ぶこの間、緊急事態宣言等による休業要請、時短営業要請などにより宿泊業のみならず飲食店、土産物店、小売店に加え卸売業など多岐にわたり大きな打撃を受けております。平成27年から5年続いた年間宿泊客数300万人超えの数字は、令和2年186万人、令和3年153万人と半減し、機会損失による影響額は1,000億円にも及ぶものと考えております。
 このような状況から熱海の観光を再び復活させるためには、ウィズコロナにおける「新たな観光のスタイル」を意識しつつ、感染状況等に柔軟に対応した誘客活動が必要です。
 令和4年度につきましては、平成25年度から継続してきた「意外と熱海」の観光ブランド・プロモーションによるメインターゲットである若年層への継続的なアプローチに加え、需要の平準化及びターゲット層の拡大を図るため、これまでの個人旅行中心のアプローチとともに、企業などのビジネスシーンでの利用を促す企業向けのプロモーションに取り組みます。また、その受け皿の一つとなるワーケーション施設等の環境整備も継続して実施してまいります。
 誘客宣伝では、ウィズコロナにおいて推奨されているマイクロツーリズムを追い風として、JR東日本など交通事業者・旅行会社と連携しながら、主要市場である首都圏に対するプロモーションに引き続き取り組んでまいります。また、新たな市場の開拓のため、JR東海などとの協力により中京圏・関西圏での熱海の認知度拡大に取り組みます。
 各種イベントの展開は、今後も新型コロナウイルス感染症の影響に対して柔軟に対応しつつ、熱海海上花火大会開催への支援拡大など、実施主体の皆様と協力しながら、効果的な誘客につながるよう努めてまいります。
 また、近年、政府が旗振りをしている「働き方改革」にコロナ禍が相まって、在宅勤務や地方移住が進んでおります。「熱海型別荘コンシェルジュ」事業を推進し、別荘所有者の来訪を促すとともに、移住・就業支援補助金などにより首都圏からの移住を促進してまいります。

(3)今後の重点施策

 今後の重点施策のキーワードとして、「熱海型DMO」「熱海版地域包括ケアシステム」「地域コミュニティ活動」「環境問題」を揚げ、時代と環境の変化に対応してまいります。

1.観光地経営の仕組みづくり

 コロナ禍において大きく傷ついた市内経済を再生し、持続可能な観光地を目指すため、令和3年に策定した「変化しつづける 温泉観光地」を基本理念とする「熱海市観光基本計画」を着実に進めることが必要です。またウィズコロナでの地域間競争に生き残るためには、「オール熱海」体制で官民がより強固に連携した体制作りが必要不可欠であります。そのため、これまで長らく議論してきた「熱海型DMO」を形にするとともに、安定的な観光財源の確保策について、関係する皆様の御理解を得られるよう取り組んでまいります。
 また、伊豆半島ジオパーク推進協議会との統合を予定している新たな美しい伊豆創造センターや、静岡県観光協会などの広域的な観光組織、DMO法人との協力関係を強化し、その効果を高めるため、各種マーケティング調査などを行ってまいります。

2.熱海版地域包括ケアシステムの深化

 社会構造の変化や新型コロナウイルス感染症など様々な影響により課題が複雑化・複合化する中、今般の災害による被災者支援など、求められる支援ニーズについても複雑化・複合化しております。属性を問わず、全ての人が住み慣れた地域で暮らし続けていけるよう、住民、医療・福祉の専門職、民間企業、公的機関が一体となって生活を支え合っていく「熱海版地域包括ケアシステム」について、更なる深化を図ってまいります。
 令和4年度につきましては、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域を共に創っていく地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制を整備するため、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する「重層的支援体制整備事業」について、熱海市社会福祉協議会と連携し、事業実施に向けた移行準備を引き続き進めてまいります。

3.地域コミュニティ活動の支援

 少子高齢化や人口減少などの要因を背景に、町内会やNPO団体などの市民が主体的に行動する団体の多くが、加入者の減少や担い手不足等により、その団体の存続や活動の継続に不安を抱いております。また、コロナ禍や災害など非常時の苦難を乗り越えるには、地域による支え合いの力が必要不可欠です。
 地域の力を高め、積極的に地域課題の解決に取り組む団体に対し、令和元年度には「地域コミュニティ活動推進事業補助金」を、令和3年度では「協働の地域づくり交付金」を創設し、支援を行ってきましたが、令和4年度も継続して支援を行ってまいります。
 また、行政や市民、地域団体が、課題や情報を共有し、コミュニティ活動の連携を強化することで、それぞれの持つノウハウや特性を活かしながら協働による地域づくりを推進してまいります。

4.地球温暖化への対応

 近年、地球温暖化等に伴う気候変動により、水害や山火事などの大規模な災害が、毎年、世界各地で発生しております。
 気候変動を生ずる要因には、温室効果ガス排出量の増加が挙げられており、全世界で地球温暖化への対策が求められております。
 このため国は、2050年カーボンニュートラルに向けて2030年度に温室効果ガスを46%削減、さらに、50%削減の高みに向けて挑戦を続けることを表明し、この新たな削減目標を踏まえて「地球温暖化対策計画」を5年ぶりに改訂いたしました。
 熱海市においても、温室効果ガスの削減等に向けて、令和4年度に「地球温暖化対策実行計画」を策定し、温室効果ガス排出量の将来推計、脱炭素のロードマップ等を示し、温暖化対策に向けた取組みを推進してまいります。

3.各部門の主要施策

 続きまして、令和4年度の主要施策について、部門ごとに説明申し上げます。

(1) 経営企画部門

 まず、経営企画部門についてです。
 令和3年、熱海市名誉市民の称号を新たに贈呈させていただいた橋田壽賀子先生が御逝去されてから令和4年4月4日で1年となることから、起雲閣を会場として「脚本家 橋田壽賀子 一周忌特別展」を開催し、生前の橋田先生の多大な功績を振り返り、称える機会を設けてまいります。
 公共施設マネジメントにつきましては、作業を1年繰り延べましたが、公共施設全体の最適化と持続可能な財政運営の両立を目指し、「熱海市公共施設等総合管理計画」の改訂を進め、併せて、「熱海市公共施設個別施設アクションプラン第2.期」を策定してまいります。
 また、熱海市所有の未利用・低利用の資産に関しましては、大規模災害時のバックアップ候補地としての性質を考慮した上で、地域経済の生産性向上や地域活性化への貢献が見込まれる資産について、民間投資による利活用を進めてまいります。
 さらに、近年、局地的な豪雨による自然災害が増えていることから、市有地の適切な管理に努めてまいります。
 職員は最大の経営資源であることから、職員一人一人が自主的に創意工夫とチャレンジ精神を持って行動するための人材育成を行うとともに、引き続き意欲と能力の高い職員の確保を目指した採用を行ってまいります。
 また、地方公務員法の一部改正に伴い、職員の定年について段階的に引き上げる必要があることから、高齢期の職員が多様な働き方ができ、その能力や知見を十分に発揮できるような環境を整えてまいります。
 情報システムにつきましては、コロナ禍において、ICTの重要性が急速に高まっている中、熱海市におけるデジタルトランスフォーメーションを推進するため、引き続き国の動向を注視していくとともに、課題である情報システムの標準化や行政手続のオンライン化に取り組んでまいります。
 広報につきましては、昨今の災害の激甚化に鑑み、行政や防災などの情報発信手段の多様化を進め、市民の皆様が情報を取得しやすい環境を整えていくとともに、引き続き、SNSの活用やメールマガジンの登録者数を増やす取組みも進めてまいります。
 また、市役所の組織・機構については、「第五次熱海市総合計画」の推進を前提に、伊豆山土石流災害からの復旧・復興を踏まえた体制を整備していくため、令和5年度の改編に向けて検討してまいります。

(2) 市民生活部門

 次に、市民生活部門についてです。
 令和3年12月末で41.7%の市民が保有するマイナンバーカードは、今後も多様なサービスの提供が計画されております。更なる取得勧奨のため、令和4年1月から本庁、南熱海支所及び泉支所で月に1度、日曜日の午前中に窓口を開設しておりますが、令和4年度も継続し、市民の皆様のカード取得の利便性を向上させてまいります。
 国民健康保険事業につきましては、子育て世帯の経済的負担軽減のため、国民健康保険加入世帯の全ての未就学児を対象に国民健康保険税の均等割額を5割軽減する法改正に対応してまいります。
 また、2年ごとに保険料の見直しを行う後期高齢者医療制度につきましては、高齢者の医療費等を勘案して、所得割で0.22%、均等割額で400円が引き上げられる見通しです。一定以上の所得のある方の窓口負担についても1割から2割への引き上げが実施されますが、急激な負担増を軽減する措置を講じますので、市民の皆様の御理解をいただきたいと存じます。
 次に納税環境の整備につきましては、キャッシュレス化への対応など納税者の利便性に配慮した納付手段の多様化を推進してまいります。
 また、伊豆山の被災地域において、当該地域内の資産の使用が困難となっている状況等に鑑み、当該資産を所有する方の税負担の軽減を図るため、令和4年度は臨時特例的な減免措置を講じます。
 世界が一つになって取り組んでいくべき地球温暖化などの気候変動への対応、海洋プラスチック等のごみ問題や野生鳥獣による被害など新たな環境問題が顕在化している中で、令和4年度に策定する「第三次熱海市環境基本計画」は、これらの背景を踏まえつつ、施策の方向性をお示しできるように策定作業を進めてまいります。
 また、同じく令和4年度に策定する「熱海市男女共同参画推進計画」につきましては、個人や個性を活かして、それぞれが活躍できる社会の実現や人権の尊重などを念頭に計画策定に取り組んでまいります。
 次に防災・危機管理につきましては、伊豆山土石流災害を教訓に、市民の皆様の早期避難と災害時の避難行動の明確化を図る「わたしの避難計画」の普及促進に静岡県と共に取り組みます。
 さらに、地域安全コミュニティ活動の充実を図り、地域ぐるみの安全活動を継続的に行うことで、災害、事故及び犯罪から市民を守るとともに、安全で、安心して暮らしていける地域社会実現のため、地域防災力、防犯力の向上、犯罪の未然防止、被害者の支援に向け取り組んでまいります。

(3) 観光経済部門

 次に、観光経済部門についてです。
 観光振興につきましては、観光ブランド・プロモーションによるターゲット拡大に取り組むとともに、メディア・プロモーション事業との両輪により、特に梅・あたみ桜に加えジャカランダ、ブーゲンビリア、紅葉などの花の魅力を更に広めるとともに、自然豊かな山や海でのアクティビティ開発など新しい魅力を創造し、ウィズコロナにおける熱海ブランドの再構築に取り組んでまいります。
 ブルネイ・ダルサラーム国とのホストタウン事後交流につきましては、デジタルサイネージを活用した観光情報の提供から、文化・経済交流、ブルネイハラル食など具体的な交流につなげていくとともに、ブルネイ国営航空会社等と連携した観光交流事業の実施について検討してまいります。
 産業振興につきましては、長期化するコロナ禍において、事業者の事業活動を支援するため経済対策貸付利子補給事業を継続するとともに、適宜、産業界への支援策を講じてまいります。また、熱海市チャレンジ応援センター(A-b1.z)は、ウィズコロナに対応した事業再構築や企業間連携、事業承継などの機能を強化した新たな体制に移行してまいります。そのほか、リノベーションまちづくり構想の具現化、魅力ある買い物環境づくりを支援するため商店街が取り組むアーケード改修の支援、住宅店舗リフォーム補助金の拡充などを行ってまいります。
 農林水産振興につきましては、農業の担い手支援による農業基盤の整備と、適切な農道・林道の整備や有害鳥獣からの被害防止に取り組むとともに、近年問題となっているナラ枯れ被害対策としての補助金交付や、森林経営管理法に基づく新たな森林管理システム実施の事前準備となる意向調査を進めてまいります。また、初島漁港における令和元年の台風被害復旧後の更なる機能強化を図るため、防波堤整備実施設計、養殖漁業に対する支援など、漁業基盤の整備に取り組んでまいります。

(4) 建設部門

 次に、建設部門についてです。
 人口減少下においても持続可能なまちづくりを目指し、令和3年度中の公表を予定しております「立地適正化計画」に基づき、コンパクトシティの形成に向けた取組みを進めてまいります。また、この将来都市構造に併せて、都市計画施設等の必要性の再検証、公共交通の在り方について検討してまいります。
 一定規模を超え盛土された造成土地につきましては、国の指導の下、全国的に調査が進められておりますが、熱海市といたしましても必要な調査を行い、安全性の把握に努めてまいります。
 市営住宅につきましては、「立地適正化計画」で示される将来都市構造に沿った集約化、効率的な維持管理手法の検討を進めてまいります。
 空き家対策につきましては、引き続き民間事業者との活用のノウハウなど空き家対策の情報交換を行い、空き家の流通及び利活用に関する施策の検討を進めてまいります。
 マンションの適正な管理の推進につきましては、法の改正を受け「マンション管理適正化計画」の作成に取り組むとともに、マンション管理に関する情報交換の場を提供してまいります。
 建築物等の耐震化につきましては、引き続き、旧耐震基準の住宅の耐震化を進めてまいります。併せて地震発生時における建物倒壊による道路閉塞を未然に防止するため、緊急輸送ルート沿道の建築物の耐震化を促進してまいります。
 道路、橋などにつきましては、市民生活に身近な道路の利便性や安全性を高めるため、改良を積極的に進めるとともに、定期的な見回り点検を実施しながら道路の補修工事を実施してまいります。また、令和元年度に見直した「熱海市橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、橋の長寿命化及び耐震化工事を計画的に進めてまいります。
 糸川遊歩道につきましては、糸川遊歩道が多くの観光客が訪れ散策を楽しめる中心的なエリアになっていることから、新型コロナウイルス感染症終息後に、年間を通して更なる昼夜の賑わい創出の契機となるよう、修景整備を進めてまいります。
 公園等につきましては、熱海梅園の施設整備として令和3年度からの着手を予定していた「迎(げい)月(げつ)橋(はし)」及び「漸(ざん)佳(か)橋(はし)」の改修について、1年計画を繰り延べ、令和4年度から段階的に修景工事を進めてまいります。園内を流れる初川や周辺に植栽された花木等の景観に調和するよう、自然素材を用いたデザインにより改修し、風情ある熱海梅園の魅力をより一層高めてまいります。
 また、熱海梅園の新たな付加価値の創出や日常的な公園利用の促進、周辺エリアの賑わいの創出・回遊性向上等、より魅力的な空間の創出を目指し、民間活力の導入による利活用の可能性について検討してまいります。
 熱海七湯の「小沢(こさわ)の湯」及び「風呂の湯・水の湯」の修景につきましても1年計画を繰り延べ、令和4年度から整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、回遊性の更なる向上を目的として、修景整備を行う熱海七湯の経路となる「市道上(かみ)宿(じゅく)支線外2線」の歩行空間の修景工事を併せて実施してまいります。
 小山臨海公園につきましては、指定管理期間が令和4年度末をもって満了となります。多様化する市民ニーズにより効果的・効率的に対応するよう、令和5年度からの管理運営を行う団体の選定を進めてまいります。
 老朽化している熱海ビーチラインの歩道橋につきましては、補修工事を実施し、地域の方が安全に利用できる環境を整えてまいります。

(5) 健康福祉部門

 次に、健康福祉部門についてです。
 人口減少や高齢化の進行、高齢者による単身世帯の増加、地域・家庭・職場など生活の中での支え合いの基盤が弱まっていること、また、引き籠もりなど社会的孤立の影響により、暮らしの課題が複雑化・複合化しております。このような中、地域で孤立することなく個人が尊重され、安心した生活を送ることを目指した地域社会の実現のため、引き続き熱海市地域共生プランを実行してまいります。
 高齢者福祉・介護につきましては、「第九次熱海市高齢者福祉計画」及び「第八期熱海市介護保険事業計画」の3年計画の2年目となります。地域密着型サービス事業者を公募し、介護サービスの提供基盤の確保に努めてまいります。
 生活習慣病対策につきましては、がん検診受診率が静岡県下35市町で最も低い子宮頸がん検診を重点にした取組みを行ってまいります。従来から行っている「ナッジ理論に基づいた受診勧奨はがき」に加え、特に受診率が低い20歳から25歳の検診費用の無料化を実施してまいります。若い頃から健康に関心を持ち、検診を受ける習慣化につながるよう周知に努めてまいります。
 子育て支援につきましては、子育て支援施策の基本方針や方向性を定めております「第二期熱海市子ども・子育て支援事業計画」が計画推進期間の中間年度を迎えますことから、これまでの進捗を検証し、必要に応じ計画内容の見直し作業を進めてまいります。
 障がい福祉につきましては、障がいをお持ちの方が地域で安心して暮らしていけるよう、地域生活支援拠点の整備に関する関係機関との協議を継続し、必要なサービス提供体制の構築を目指してまいります。
 生活困窮者の支援につきましては、現下の状況を踏まえ、必要な支援が漏れなく届くよう、熱海市社会福祉協議会など関係機関とも連携し、生活困窮者自立支援事業や、臨時特別給付金等の広報を充実させるとともに、状況に応じて生活保護制度による適切な保護に努めてまいります。
 スポーツ振興につきましては、令和3年度中に策定を予定している「第二期熱海市スポーツ推進計画」に基づき、市民の皆様がスポーツを通じ、健康で豊かな生活を過ごし、活力ある地域を育めるよう取組みを進めてまいります。

(6) 公営企業部門

 次に、公営企業部門についてです。
 公営企業三会計につきましては、ライフラインを担う事業として、効率的かつ安定的な事業運営に努め、安全・安心で豊かな市民生活の向上に寄与してまいります。
 水道事業につきましては、伊豆山土石流災害後、伊豆山地区への供給を応急措置にて泉地区から行っておりますが、日(ひ)金(がね)沢(ざわ)水源の整備を行い新たな送水ルートを確保し、安定供給ができるように努めてまいります。
 初島へ水を送っている海底送配水管につきましては、令和4年度に陸地部分の工事に着手し、令和6年度の完成に向けて進めてまいります。
 また、老朽化が進んでいる施設につきましては、耐震化を図り、安全な水を安定して供給できるように努めてまいります。
 県営駿豆水道につきましては、引き続き三島市、函南町と共に二市一町の足並みをそろえながら、将来を見据えた事業の在り方や料金につきまして、静岡県企業局と協議を行うとともに広域連携の研究を行ってまいります。また、令和5年度に予定していた水道料金改定につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中で、市内経済や市民生活への影響が非常に大きなものとなっていることを踏まえ、1年間見送ることといたします。
 下水道事業につきましては、「ストックマネジメント計画」に基づき、老朽化した浄水管理センター設備や管路の更新工事を進めるとともに、適切な維持管理を行ってまいります。
 温泉事業につきましては、源泉施設の整備や、老朽化した送配湯管等の更新を進め、効率的な運転管理と安定給湯に努めてまいります。

(7) 消防部門

 次に、消防部門についてです。
 伊豆山土石流災害により被災した消防団詰所の建設に関しましては、「伊豆山復興基本計画」を軸に、伊豆山地区の将来像や地域の皆様の御意見を反映しつつ、十分な検討を行ってまいります。
 消防救急業務につきましては、新型コロナウイルス感染予防対策の徹底を図るとともに、引き続き、最善の対策を講じながら、消防救急隊員の業務に支障を来さないよう努めてまいります。
 火災予防対策につきましては、高齢者の安全確保を重点目標として、住宅用火災警報器の設置、取り替えの推進など住宅防火対策の強化を図るとともに、防火対象物への予防査察を強化し、違反是正の徹底を通じ、火災の未然防止に努めてまいります。
 消防力の要は人材です。引き続き、インターンシップやリクルート活動などを通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、消防職員の更なる知識、技術の向上のため、外部派遣研修を含めた研修を積極的に行い、人材育成に努めてまいります。
 今後も、地域防災力の充実のため、消防団との連携強化を図り、常備、非常備消防が一体となり、安全・安心の確保に努めてまいります。

(8) 教育文化部門

 次に、教育文化部門についてです。
 幼児教育につきましては、保育業務の負担軽減を図ること、また保育を取り巻く環境を整えるため保育設備の整備改修を行うこと等を目的とした補助事業を進めてまいります。
 学校教育につきましては、GIGAスクール構想の推進に伴い、タブレット端末を活用した個別最適な学びと、子どもたちが個々の違いを認め協力し合うことにより育まれる協働的な学びに取り組んでまいります。
 学校施設につきましては、経年劣化等による校舎及び屋内運動場の改修工事を行い、児童生徒の学校生活における安全対策を図ってまいります。
 社会教育につきましては、市民大学講座において、コロナ禍における受講機会を確保するためにオンライン講座を一部導入するとともに、高齢者のデジタル活用を支援する「高齢者スマホ教室」を拡充してまいります。
 起雲閣につきましては、これまでの指定管理期間が令和4年度末をもって満了となります。この機会を捉え、NPO法人あたみオアシス21による管理運営の評価・実績を踏まえて指定管理者制度を継続するとともに、各文化施設における入館者の低迷などの諸課題を解決するための方策として、起雲閣以外の文化施設を含めた包括的指定管理者制度の導入を進めてまいります。併せて、老朽化が著しい起雲閣表門(薬医門)の改修についても実施してまいります。
 重要文化財の旧日向別邸につきましては、当初の予定では令和4年4月の一般公開再開を目指し保存修理工事を進めてまいりましたが、伊豆山土石流災害の影響により展示制作の整備作業等に遅れが出ていることから、一般公開再開を令和4年夏頃に延期した上で準備を進めてまいります。
 (仮称)熱海文学館につきましては、杉本苑子先生の御遺志に添う文学館の開設を目指し、外部の専門家を交えた設立準備委員会を中心に、改めてコロナ禍により休止していた基本計画の策定作業を進めてまいります。
 図書館につきましては、利用者に対して新型コロナウイルス感染予防対策として三密回避の徹底や返却書籍の除菌、貸し出し書籍へのUV除菌装置の設置など安全・安心な書籍の提供に努めてまいります。
 また、図書館運営の在り方に関して、引き続き図書館協議会で議論を重ねてまいります。
 以上の施策をはじめ、「熱海市教育振興基本計画(兼教育大綱)」に位置付けた目標に向け、諸施策を着実に進めてまいります。

4.むすびに

 熱海市はその歴史の中で、幾多の難局を乗り越え、今日まで発展してきました。昭和25年4月の熱海大火では、市街地の約4分の1が焼失するという大きな被害を受けたにも関わらず、その復興は誰もが予想できない速度と規模で進められました。
 当時の資料を読むと、その要因は、時の市長、市議会議員、熱海市選出の国会議員や県議会議員そして市職員が、それぞれの役割がなし得る最善の行動を起こしながら、復興という一つの目標に向かって、一致団結したことにあることがわかります。
 さらに、当時の市民の多くが高い公共意識を持ち、主体的に活動を起こしたことが、復興に向けた大きな力となりました。
 熱海市は今、「伊豆山土石流災害」と「コロナ禍」という二つの大きな苦境の中で喘いでいます。熱海に関わる全ての人が一致団結し、「オール熱海」体制でなければ、この難局を乗り越えていくことができません。私はその先頭に立ち、どんな困難があろうとも、未来へ続く道を信じ、皆様とともに一歩一歩前へ進んでまいる所存です。
 議員各位、産業界そして市民の皆様におかれましては、現在の難局を乗り越えるため、特段の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

令和4年2月22日

熱海市長  齊 藤  栄

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