平成27年2月市議会定例会市長施政方針

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ページ番号1002229  更新日 平成29年5月8日

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写真:壇上の市長

2月20日に行われました平成27年2月市議会定例会において、市長が施政方針を述べました。

1.はじめに

平成27年2月市議会定例会が開催されるにあたり、私の市政運営について所信を述べさせていただくとともに、平成27年度の施策の概要を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
私は、昨年9月に市民の皆様からの負託を受けて、引き続き三期目の市政運営を担うこととなりました。平成18年9月の市長就任以来、財政の建て直し、市庁舎や中学校などの耐震化、シティプロモーションの強化や観光まちづくりの推進による宿泊客増加などに積極的に取り組んでまいりました。
熱海は今、大型建設プロジェクトの完成、若者を中心とした来遊客の増加、新たな民間投資案件の着工など、着実に上向きつつあります。
しかし、ここで少しでも気を緩めれば、熱海はすぐに元に戻ります。変わりつつある熱海をさらに加速させ、圧倒的な熱海、平成における温泉観光地の横綱としての熱海をつくっていかなければなりません。
熱海発展の歴史を振り返ってみますと、政財界の要人の保養地として発展した明治・大正の第一の成長期、新婚旅行や社員旅行で賑わう観光地として発展した昭和の第二の成長期がありました。そして第二の成長期のピークであった昭和40年代以降現在まで、大きな傾向としましては、人口も宿泊客も約50年間減少し続けてまいりました。こうした中で、第三の成長期をつくるべく、新しく生まれ変わる熱海「新生熱海」の実現を目指して、昨年9月の三期目の所信表明において、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」、「住まうまち熱海づくり」、「市民のための市役所づくり」の3本柱を市政運営の方針としてお示ししたところであります。
本市には、少子高齢化の進展などに伴う様々な課題がありますが、特に子育て世代の転出等による人口減少問題は、本市の最重要課題になっております。既に述べましたとおり、本市の人口は約50年間減少し続けておりますが、「住まうまち熱海づくり」こそが、人口減少に歯止めをかける施策であると考えております。
多くのお客様が熱海を訪れていただくことはもちろん重要でありますが、熱海で生活をされる方が熱海での生活の質の高さを享受し、「熱海に生まれて良かった」、「住んで良かった」、そして市外に住む方が「熱海に移り住みたい」と思っていただくことが大切です。これまでの二期8年間、まず財政再建、次に観光振興が優先される中で、三期目となった今、ようやく「市民の暮らしを豊かにする」というテーマを掲げられる段階にきました。
観光・商業振興で稼いだ原資を活用して、これまで以上に福祉や教育などを充実させ、市民の暮らしの豊かさに主眼をおいた「住まうまち熱海づくり」に平成27年度から本格的に取り組んでまいります。同時に、市民の暮らしに関わる様々な公共的な施設につきまして、より快適にお使いいただけるよう、必要な修繕や改修等を行ってまいります。

2.平成27年度の重点施策

(1)日本でナンバー1の温泉観光地づくり

1 2020年までの展望

平成26年は、市民、産業界そして行政の3つの力によって、熱海が元気を取り戻し始めた年になりました。入湯税で見た宿泊客数は震災前の水準に回復し、様々な人気ランキングでも熱海の順位が上昇しました。税収面でも改善傾向が見られるように、経済活性化は、市民の暮らしを豊かにするための基盤となるものです。
ここで、今後の展望を見通してみますと、まず平成27年には伊豆半島ジオパークの世界ジオパークネットワーク加盟が期待されます。また、「伊豆は一つ」という共通認識のもと、伊豆半島七市六町の首長が合意して、「美しい伊豆創造センター」が発足いたします。
熱海市内におきましては、平成28年に熱海駅舎・駅ビルが90年ぶりに建替えられ、熱海・伊豆の新しい玄関口が完成する予定であります。市民や観光客の皆様の利便性が向上するよう、駅前広場の整備、観光案内所の充実も進めてまいります。こうした中で、伊豆地域の一層の観光活性化を目的に官民が一体となり、広域連携の中で、平成30年度のJRデスティネーションキャンペーンの開催実現に向けて誘致活動を行ってまいります。
そして令和2年、2020年には東京オリンピック、パラリンピックが開催されます。外国人観光客の受入環境の充実のため、公共施設や民間施設への公衆無線LANの整備・促進を図るとともに、多言語観光ガイドブックの作成を進めてまいります。
このような、観光地熱海を国内外に発信する節目、またとないチャンスを活かし、日本でナンバー1の温泉観光地を実現するべく、これまで以上にシティプロモーション、観光まちづくりに取り組んでまいります。

2 観光・経済分野の重点施策

平成27年度も、産業界や市民の皆様と行政が役割分担をしながら、同時にしっかりと連携を図ることを基本として、重点施策を推進してまいります。
宿泊客数では改善が見られる本市の産業が直面する課題は、閑散期の客室稼働率を高めて雇用の安定を図ることや、消費単価の引き上げ、そして飲食等の幅広い業種での消費拡大などであります。そこで、トップセールスや団体旅行に関する特設WEBサイト開設などを行うとともに、政府の地域消費喚起に関する交付金を活用し、閑散期である秋季に団体旅行を誘客するとともに、クーポン等により市内飲食店やタクシー、芸妓・コンパニオンの利用を促進する事業を実施してまいります。
一部の旅館・ホテルでは従業員が確保できず、営業調整をしなければならないなど、従業員不足も深刻化しております。ハローワークや旅館組合等と連携しながら、求人情報の発信に努め、また就労ニーズの把握等を行い、従業員確保や人口増加に努めてまいります。
別荘等所有者の皆様に対しましては、アンケート調査でもご要望が多かった市内飲食店などの情報を、商工会議所などの関係機関と連携しながら提供し、満足度の向上、来訪頻度の増加、消費の拡大を図ってまいります。また、ふるさと納税の制度拡充に合わせて、お礼の品を選択できるようにするとともに、新たに宿泊補助券も選択肢に加えるなど、「熱海」らしい魅力の発信をしてまいります。
観光まちづくりの拠点としましては、昨年完成したジャカランダ遊歩道を市民や観光客の憩いの場として適正に管理していくため、植栽管理要領を作成いたします。また、歴史ある伊豆山神社から走り湯まで続く階段につきましては、景観に配慮しながら石畳風階段の整備を行ってまいります。

(2)教育と福祉の充実した「住まうまち熱海づくり」

平成27年度は、市民の暮らしを豊かにしていく「住まうまち熱海づくり」を本格的に進めていくスタートの年となります。今後数年間をかけて、子育て世代の転出超過を食い止めるため、教育や子育て支援の充実、雇用や住宅の確保に取り組むとともに、高齢者の外出支援や孤立化防止などに取り組んでまいります。施策の推進にあたっては、「市民の暮らしを豊かにする」という目標のもと、市役所の部署横断のみならず、官民が連携したプロジェクトとなるよう留意してまいります。

1 子育て世代の応援

教育・保育分野においては、人が最大の資産であります。このため、教育・保育の現場を担う職員について、特別支援教育を充実するための学習支援員を3名増加、事務環境改善のための学校事務員を1名増加、待機児童の改善や就園希望に応えるための保育士を2名増加いたします。
次に、子ども達の学びの機会と居場所づくり、そして教育環境の改善を図るため、地域の教育力を活かした公民館寺子屋事業の開催期間、開催場所を拡大するとともに、学習習慣づくりや学習内容の定着のため、土曜日学習支援事業を行ってまいります。また、高温で熱中症となるおそれのある普通教室等にエアコンを設置するとともに、多賀小学校の子ども達がプール授業を受けられるようバスでの送迎を行ってまいります。
児童福祉の観点からは、心身の発達に課題や遅れを持つ子どもへの支援を最優先課題として取り組んでまいります。先日、教育長と共に児童発達支援施設の視察をし、就学前の幼児期から、できる限り専門的な療育環境を整備していくことの重要性を改めて痛感いたしました。平成27年度は児童発達支援事業等を専門的に行う事業所の誘致、選定を進め、できる限り早期の事業所開設を目指してまいります。
子育て支援の充実のため、スマートフォンに特化した子育て支援ホームページの運用を開始するとともに、渚小公園に続き、南熱海地区にも子育て世代が利用できる遊具の設置を目指してまいります。
続いて、静岡県立熱海高等学校につきましては、その通学路となる「さくらの名所散策路」を、平成28年度中のできる限り早期の完成を目指して整備を進めてまいります。また、県・市・産業界・地域の関係者が参加する懇話会での議論を踏まえて、福祉部門との連携強化や地域への就職の促進に取り組み、熱海高校の魅力向上と卒業生の地域への定着につなげてまいります。
施設の老朽化と入居者の高齢化が著しい市営住宅につきましては、市営住宅ストック計画の具体化、見直しも含めた老朽化への対策を研究するとともに、今後の市営住宅の利活用の可能性を探るため、若年世代のニーズに合ったリフォームを行う市営住宅・子育て世代入居促進モデル事業を行ってまいります。

2 高齢者の外出支援と居場所づくり

高齢者の外出支援につきましては、外出の「交通手段」への支援とともに、「目的となる居場所」づくりを併せて進めてまいります。
昨年の伊豆山方面から清水町方面を巡回する路線バスの新設などのような、市民が利用しやすい公共交通の実現に向けて、今後も市としてバス会社へ要望、協議を行いながら検討をしてまいります。
また、利用者が年間延べ2万人を超える総合福祉センターの温浴施設には、バスで来る方もおり、高齢者の皆様に気軽に温泉の恩恵を感じていただける人気施設となっております。平成27年度は、より安全で快適に利用していただけるよう改修を行ってまいります。

3 (仮称)熱海フォーラム

上宿町市有地に、ホールや図書館を中心的機能とする新たな施設の整備を行う「(仮称)熱海フォーラム整備事業」につきましては、「豊かな暮らしの創造」、「市民参画・市民が集う場づくり」、「持続的に運営可能な施設」の3つをコンセプトとして計画を推進してまいります。
事業手法につきましては、本市の実情を熟知している地域の方々が施設の運営に携わり、市民の皆様が使いやすい施設となるよう、また、民間の活力や創意工夫によりサービス向上が図られ、かつ無理なく運営できる官民連携の手法について十分に検討してまいります。「市民が集う場」を整備していくうえで不可欠となる駐車場の確保につきましては、限られた敷地を有効に活用するため、市役所敷地内の来庁者用駐車場を立体駐車場とすることで、一体的に整備して行きたいと考えております。

3.各部門の主要施策

続きまして、平成27年度の主要施策について、部門毎に説明申し上げます。

(1)経営企画部門

まず、経営企画部門についてです。
人口減少の克服と地方創生を目指した政府の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、本市としましても、平成27年度中に中長期の人口を推計した「地方人口ビジョン」と、5カ年に渡って重点的に取り組む政策をまとめた「地方版総合戦略」を策定してまいります。
また、平成27年度は、第四次熱海市総合計画の前期の最終年度を迎えることから、次の5年間の事業の方向性を定める後期基本計画の策定も必要となります。内容面では、地方版総合戦略の策定と調整を図りながら、また手法面では、市民ワークショップの開催や審議会の開催など市民参画を得ながら、検討を進めてまいります。
政策課題に対応した任期付職員の採用の最初の事例としまして、平成27年度は自衛隊の退職者を採用し、本市の消防業務や危機管理業務に活かしてまいります。また、保育士や保健師など必要な職種の職員採用を強化するとともに、人材育成ビジョンを核とした人材育成を行い、少数精鋭での行政運営に努めてまいります。
持続可能な行財政運営を進めるため、将来の人口推計など時代の変化に合わせた公共施設の総合的な見直しや最適化ができるよう、本市の公共施設の状況を分かりやすく公開し、今後の公共施設のあり方や管理計画などにつきまして、市民の皆様と一緒に考えてまいります。
社会保障・税番号制度につきましては、平成27年10月の個人番号の通知、平成28年1月の個人番号カードの交付開始が円滑に行えるよう、個人情報保護、システム整備など、実施に向けた準備を進めてまいります。
また、指定管理者制度につきましては、県や他市町の事例なども参考にしながら、その運用の明確化を図ってまいります。

(2)市民生活部門

次に、市民生活部門についてです。
市民の暮らしに欠かせない施設の修繕や対応は喫緊の課題であります。エコ・プラント姫の沢につきましては、今後17億円程度の大規模な修繕工事を実施して延命化を図ってまいります。し尿処理施設の整備につきましては、既存の浄水管理センターを利用した処理方法に重点を置きつつ、施設の整備・建設の方向性につきまして、引き続き湯河原町、真鶴町と協議を続けてまいります。年間約700件の利用がある火葬場につきましては、今後数年間で1億円程度をかけて火葬炉や建屋の雨漏り修繕工事などに取り組んでまいります。
防災・危機管理につきましては、相模トラフ沿いや駿河トラフ・南海トラフ沿いの地震などの切迫性を踏まえた「静岡県第4次地震被害想定」、また「首都直下地震の被害想定」の見直しにより、新たな地震・津波モデルが示されたため、今後、静岡県の実施する津波防災対策「静岡モデル」の推進に合わせて、津波避難対策としてハザードマップの作成及び伊豆山地区の孤立化を見据えた拠点防災倉庫の設置に取り組んでまいります。
市民協働につきましては、公園や社会教育施設など社会インフラの維持管理におきまして、また、消費者被害の防止や男女共同参画社会の実現にむけた活動におきまして、市民参画・協働によるまちづくりを推進してまいります。

(3)観光経済部門

次に、観光経済部門についてです。
観光振興につきましては、シティプロモーションをさらに強化しながら、熱海の魅力を伝えるツールとして、四季ごとの地域資源を活用した熱海での過ごし方を伝える、総合観光ガイドブックを製作いたします。
また、観光案内所につきましては、熱海駅舎・駅ビルの工事により、現在の場所での案内ができなくなることから、暫定的な仮案内所の設置や、新観光案内所の機能や設置場所など、駅舎・駅ビル完成後のことも勘案しながら関係機関と協議してまいります。
産業振興につきましては、「熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)」事業を引き続き行うとともに、「空き店舗活用基礎調査」の結果を活用し、空き店舗への起業創業を促進していくため、関係機関と連携し支援体制を構築してまいります。
農林水産振興につきましては、平成26年度に実施している基礎調査の結果を基に新たな農業振興地域整備計画を策定してまいります。また、初島漁港交流広場整備事業につきましては、バリアフリーを考慮した休憩施設や緑地の整備を行うための実施設計を行ってまいります。農作物等に被害を及ぼす有害鳥獣への対策につきましては、捕獲や追い払いにつきまして、住民向けの講演会を開催するとともに、イノシシ捕獲用装置の増設をしてまいります。

(4)建設部門

次に、建設部門についてです。
熱海駅前広場につきましては、平成27年度はタクシー乗降場の改修、バス停スロープの手摺りの改修等を行い、平成28年度の熱海駅舎・駅ビルの完成に向けて、市民・観光客の皆様のより一層の満足度向上に努めてまいります。
平成12年度に策定した都市計画マスタープランにつきましては、本市を取り巻く社会・経済情勢の変化を踏まえて、平成27年度より3年間をかけて、現行計画の評価・検証を行いながら、将来の熱海のまちづくりを視野に、計画を改訂してまいります。
高度経済成長期に集中的に整備が進められた都市基盤施設が、更新の時期を迎えています。暮らしやすさと安全確保のため、市単独費の道路維持費・改良費を増額して補修を行うとともに、国庫補助を受けた道路の舗装路面や擁壁、道路照明等の補修工事、また、橋梁の長寿命化や耐震化工事、定期点検などに力を注いでまいります。
熱海市民一人あたりの都市公園面積は静岡県平均の4.6倍と非常に広く、将来の人口減少や市税の減少も予想される中で、選択と集中、管理の合理化が必要となっています。今年度につきましては、観光客の利用が多い公園等のトイレの電球のLED化により、管理費用の削減を目指すとともに、海浜公園において安全面で課題のあるヤシの伐採を実施してまいります。

(5)健康・福祉部門

次に、健康・福祉部門についてです。
高齢者介護につきましては、地域包括ケアシステムの構築に向けて、中核的な役割を担う地域包括支援センターの人員増による体制強化を図るとともに、「地域ケア会議」を開催し、介護に関する地域の課題の把握や関係機関とのネットワークの形成等に努めてまいります。
また、生活困窮者の自立支援につきましては、4月から施行される生活困窮者自立支援法に基づき、相談窓口の設置や就労支援などの事業を進めてまいります。
健康づくりにつきましては、40歳以上の国民健康保険被保険者を対象に実施している特定健康診査の受診率の改善を図るため、特に受診率が低い40代・50代の働く世代を対象とした追加健診を実施していくとともに、人間ドック受診費用の助成につきましても検討してまいります。
さらに、近隣に胃がん・大腸がん検診を実施する医療機関がない泉地区を対象として、湯河原町の医療機関でも受診できるようにするなど、受診機会の拡大に努めてまいります。

(6)公営企業部門

次に、公営企業部門についてです。
公営企業三会計につきましては、市民生活になくてはならないライフラインであり、経営の安定化と健全化を念頭に、市民福祉の向上に努めてまいります。平成27年度は、水道事業の安全対策に係る工事費に充てるため、一般会計から水道事業会計に対して約1億2千万円の出資を行い、企業債の返済にかかる将来負担の軽減を図ってまいります。
水道事業につきましては、泉浄水場の膜ろ過工事など老朽施設の更新工事を進めるともに、有収率向上のための流量計設置工事に着手いたします。県営駿豆水道につきましては、二市一町の首長で要望を行った結果、県企業局と協議を行うこととなりましたので、今後のあり方や料金につきまして協議をしてまいります。また、水道料金につきましては、会計基準の変更に伴う影響により会計上の利益が想定より上回ったため、平成27年度の料金改定は延期いたします。
次に、下水道事業につきましては、長寿命化計画に基づき、老朽化した浄水管理センター設備や管路の更新を進め、適切な維持管理を行ってまいります。
温泉事業につきましては、所有源泉施設の整備や、貯湯槽及び送配湯管等の老朽化した設備の改築更新を進めてまいります。また、施設の効率的な運転管理を検討し、引き続き安定給湯を図ってまいります。

(7)消防部門

次に、消防部門についてです。
新たな消防防災拠点として「新消防庁舎」の完成とともに、最新鋭の高機能消防指令システムの運用を開始し、迅速で正確な出動体制が確立されました。現在、消防救急デジタル無線の整備が進んでおり、消防施設の充実強化が図られ、新しい時代へと移行してまいります。
消防力の要は人材であり、インターンシップの実施や近隣高等学校の訪問などを通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、外部派遣研修を含めた研修を積極的に行い、世代交代に伴う人材育成に努めてまいります。また、南熱海出張所職員の増員を行い、南熱海地区の強化を図ってまいります。
火災予防対策につきましては、高齢者の安全確保を重点目標として、個人住宅への火災警報器設置の促進を図るとともに、防火対象物への予防査察を強化し、火災の未然防止に努めてまいります。
救急体制につきましては、人口10万人都市に匹敵する救急需要に対し、救急救命士の育成に努め、メディカルコントロール協議会との連携のもと、救急業務の高度化推進へ、引き続き取り組んでまいります。
今後とも、地域防災の要である消防団との連携強化を図り、常備、非常備消防が一体となり、地域の安全・安心の確保に努めてまいります。

(8)教育・文化部門

次に、教育・文化部門についてです。
平成27年度から、教育長は市長が直接任命する特別職となり、また、市長と教育委員会が協議・調整を行う総合教育会議が設置されます。次代を担う子ども達がたくましく心豊かに成長する教育の実現に向けた課題につきまして、教育委員会と市長部局が一丸となって取り組んでまいります。
学校教育につきましては、重点施策で述べたもののほか、私立を含めた全ての幼稚園・保育園への自動体外式除細動器(AED)の設置、学校の非構造部材の耐震化等による教育環境整備、いじめ問題専門委員会の設置等によるいじめ問題への対応など、子どもの安全・安心の確保に取り組んでまいります。
社会教育につきましては、文化財や伝統文化・芸能を次世代に継承していく施策を展開しながら、旧日向別邸など、文化施設の整備・保存、活用に努めてまいります。起雲閣につきましては、当面委託による運営をしながら、議会の皆様と議論を深め、ご理解を得て、できる限り早期に指定管理による運営に戻してまいりたいと考えております。
平成27年11月に、創立100周年の節目を迎える図書館につきましては、温泉誌の策定とともに、熱海発展の歴史がわかる資料の収集・整理を進め、歴史を学べる拠点づくりを進めてまいります。また、新図書館構想の理念を踏まえて、市民の知的要求に的確に応えつつ、市民の利用満足度が高まるよう、これまで以上に創意工夫を重ねてまいります。

4.むすびに

私の政治理念は、市民一人ひとりが市政に参画し、自立した自治体を実現していく「市民参画」と「地方自治」であります。市政を動かすのは一人ひとりの市民の皆様であり、二元代表制のもとで、選挙を通じて市民の負託を受けた市長と市議会議員の皆様であると考えております。
議員各位、並びに市民の皆様におかれましては、「新生熱海」の実現に向けて、特段のご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

平成27年2月20日
熱海市長 齊藤 栄

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