11.和食文化を伝えよう

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ページ番号1013625  更新日 令和5年3月22日

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お茶碗とお箸
地域の郷土料理や伝統料理などの食文化を大切にして、次世代への継承を図りましょう。

世界が認める「和食文化」

日本の食事を楽しみに来日する外国人

コロナ禍で海外との行き来が途絶えた数年を経て、今ようやく新しい生活を迎え、街中に多くの外国人を見かけるほど賑やかさが取り戻されてきました。

外国人の来日の楽しみには、各地の観光もさることながら、日本食を堪能することを楽しみに来日する人も多くいます。とある調査結果では、外国人が好む日本食ランキングに「寿司」「ラーメン」「天ぷら」「カレー」「しゃぶしゃぶ」「焼き鳥」「そば」「おにぎり」「刺身」「とんかつ」などが人気メニューとしてランクインされています。

さて、外人が好む日本食のなかに「ラーメン」「とんかつ」「カレー」が入っていますが、これは日本食でしょうか?疑問を持つ方も多くいるでしょう。

私たちが食べる食事にも、「パスタ」「ステーキ」「チャーハン」など、日常的に多国籍料理が食卓に並ぶ食生活を送っている方も多くいると思います。多国籍の文化が日本に入り、日本人の好みの味に変化しながら現代の日本食となっているようです。

様々な国のメニューを選んで食べることができる日本食。そんな時代だからこそ、今回のテーマは「和食文化」の良さを振り返ります。中でも、和食の代表格であるごはんと味噌汁を中心にした「一汁三菜」の魅力に迫ります。

世界に誇れる「和食」~ユネスコ無形文化遺産~

今回のテーマ「和食」は、平成25年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。

このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重

日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。

(2)健康的な食生活を支える栄養バランス

一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。

(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現

食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。

(4)正月などの年中行事との密接な関わり

日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。

このように、日本人が大切に伝承をしてきた「和食」。多国籍料理が食べられる豊な時代になっても「和食」文化は世界の誇りとして受け継いでいきたいものの一つです。

 

 

 

「和食」に多国籍料理を上手に組み合わせた「日本型食生活」

健康的な食生活「日本型食生活」

ユネスコ無形文化遺産に登録された理由の一つに、和食は“健康的な食生活を支える栄養バランス”であることが挙げられています。なぜ、栄養バランスがよい食事であるのかは、和食特有の献立の立て方にヒントがあります。その献立の立て方は「日本型食生活」と称され、特に昭和50年代のころの食生活を指します。ごはんを主食としながら、主菜・副菜に加え、適度に牛乳・乳製品や果物が加わった、バランスのとれた食事です。日本が世界有数の長寿国である理由は、こうした優れた食事内容にあると国際的にも評価されていました。
また、ごはん中心の食事のいいところは、和・洋・中ともよく合うおかずが、いっぱいあるということです。

一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。

薄れていく「日本型食生活」

「日本型食生活」は、特に昭和50年代のころの食生活を指しています。では、昭和以降の平成から令和の時代の日本人の食卓はどのように変化してきているのでしょうか。

近年の食生活を表す様々な調査では、野菜摂取量の減少傾向や“脂質”や“たんぱく質”の過剰摂取傾向、またコロナ禍の影響もあり、仕出し弁当やテイクアウトなど出来上がった食事を持ち帰って食べる“中食”の文化が定着することにより、主食・主菜・副菜が揃う「日本型食生活」の様子が薄れていく傾向がみられています。

ごはんとみそ汁を中心にした献立「一汁三菜」の良さを伝え「日本型食生活」を次世代に繋げることが重要になります。

 

次の時代の「日本型食生活」を目指して(食育の推進)

多国籍料理を選べる今を否定することはありません。今後、いろいろなメニューを組み合わせ、栄養バランスを考えた献立の立て方を身に着ける意識と知識が、これからは必要不可欠となります。

 

伝えていこう“和食文化”

一汁三菜の献立例

「1・2・3」は、栄養バランスの合言葉!

熱海市から「栄養バランスの良い食事」を市民の皆様に伝えるときは、簡単な合言葉「1.2.3]を使ってお伝えするようにしています。

例えば、「栄養バランスの合言葉は1.2.3!」や「主食・主菜・副菜の3つのお皿をそろえましょう」などです。この合言葉で献立を立てると難しい栄養素のことを考えずに自然と栄養バランスの良い食事が仕上がります。

皆さんも食事の支度をするときには「1・2・3」とお皿の数を数えてみてください。
詳しい資料もあわせてご確認ください。

 

食育ピクトグラムチャレンジレシピ

味な紅梅・白梅

味な紅梅・白梅の仕上がり写真

和食の良さは「栄養バランスがいい献立になる」だけではありません。

四季を感じる旬の食材を使ったり、四季を感じさせる料理の盛り付けや器選びは、目で見て楽しむことができ「和食」の良さでもあります。

また、その土地に伝承されている郷土料理や、その土地で決まった時期に食べる風習があるなど、文化と一緒に食が存在し受け継がれていることも「和食」の良さでもあります。

熱海市には「郷土料理」と呼べる料理はありませんが、網代地区では昔、鯵や宗田ガツオ、イカなどの水揚げが多く、それらをすり潰し味をつけたものを揚げる「イカメンチ」という料理があります。

今回、紹介するのは、その「イカメンチ」をアレンジした春を感じる「味な紅梅・白梅」をご紹介します。

料理の手間はかかりますが、作り手が食べていただく方を思って精魂込めて作られるメニューに、日本人らしい「おもてなし」を感じることができる一品です。

味な紅梅・白梅  材料(4人分)
材料(4人分) 材料(4人分)
鯵  … 120g(中2本) 食紅 …  適宜
いか … 50g A片栗粉 … 25g
根深ネギ … 30g

A味噌 …  15g

しょうが … 適量

Aごま油 … 小さじ1
もち米  …    80g 卵黄(ゆで卵) …  適宜 (飾り用)
作り方

1.もち米は、調理する3時間ほど前に水につけておく。(半量は、食紅で色を付けた水につける)

2.鯵は、頭、腸わた、骨、皮を除き3枚におろす。

3.イカは腸わたをとる。

4.2.3.は包丁で叩いてすり身にする。

5.4.に刻んだねぎ、おろし生姜、A(味噌,片栗粉,ごま油)を加えてよく混ぜる。

6.5.を8つに分けて平たく成型し、1.のもち米をまぶす。

7.6.を蒸し器に並べ、強火で8~10分蒸す。

8.蒸しあがったら器に盛り、ゆで卵の卵黄を裏ごしたものを飾りでのせて出来上がり。

 

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このページに関するお問い合わせ

健康福祉部 健康づくり課 健康づくり室
〒413-8550 熱海市中央町1-1
電話:0557-86-6294 ファクス:0557-86-6297
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