令和4年9月市議会定例会齊藤市長所信表明演説

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ページ番号1013106  更新日 令和4年11月28日

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R4所信表明

はじめに

今回の熱海市長選挙はコロナ禍の中で行われましたが、その結果は今後の齊藤市政に対する大きな期待の表われと捉えており、責任の重さを痛感するとともに、改めて身の引き締まる思いであります。

熱海市は今、多くの課題を抱え、大変厳しい状況にありますが、試練を乗り越え、熱海の新たな発展に向け、初心を忘れず、全身全霊で市政に取り組んでまいる所存です。

齊藤市政の四期16年

これまでの四期16年の間、その時々の市政の重要課題に全力で取り組んでまいりました。三期目までの重要テーマであった「財政再建」、「観光振興」、「住まうまち熱海づくり」については、公営企業会計における約41億円の不良債務の全額解消、及び平成27年から5年連続で年間宿泊客数300万人突破を果たすとともに、教育・子育て、福祉、市民インフラの整備等の分野で着実に施策を進めてまいりました。

四期目に入り、中長期の視点で熱海市が持続的に発展する仕組みづくりを目指した「熱海2030ビジョン」を掲げ、その実現に取り組んでまいりましたが、令和2年の2月から始まった新型コロナウイルス感染拡大、及び令和3年7月3日に発災した伊豆山土石流災害への対応を優先せざるを得ない状況が生じてきました。

このため、喫緊の課題として、新型コロナウイルス、及び伊豆山土石流災害にしっかりと対応しつつ、「熱海2030ビジョン」を更に前に進めるため、引き続き市政を担うことを決意した次第です。

伊豆山土石流災害からの復興

伊豆山土石流災害は、熱海市にとって未曽有の大災害となりました。27名の尊い命と多くの財産が失われ、未だお一人の方が行方不明となっております。そして現在、警戒区域内の130世帯を超える約240名の皆様が、応急的な住まいで不自由な生活を余儀なくされています。

発災から1年以上が経った今、被災された皆様に対する支援を丁寧に行いながら、被災地域の復旧・復興を本格的に進めていくことが、市政の最重要課題と捉えています。

まず、被災された皆様に対する支援です。被災された皆様の置かれた状況は様々であります。そして、その状況は刻一刻と変化していきます。これらの状況を的確に捉え、「伊豆山ささえ逢いセンター」や地域のご協力を得ながら、被災者の皆様に寄り添った見守り・相談支援を引き続き行ってまいります。また、被災者の皆様が生活再建するために必要な支援策を提示、実行してまいります。

被災地域の復旧・復興については、被災された皆様そして地域の皆様の声をしっかりとお聴きしながら、既に策定した「伊豆山復興基本計画」、及び「伊豆山復興まちづくり計画」に基づき、各種復興事業を着実に推進してまいります。

特に、帰還を希望される皆様に対しては、令和5年の夏の終りまでに現在の警戒区域を解除し、条件が整い次第、速やかに帰還していただけるよう努めてまいります。

伊豆山復興計画の進捗管理及び修正の際には、被災された方や地域の方々の声が反映できる仕組みをつくってまいります。

また、引き続き、伊豆山土石流災害の原因究明の作業を進め、これを再発防止に向けた取組みに活かしてまいります。

コロナ禍からの脱却と躍進

新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから既に2年半以上が経ちましたが、未だその収束が見えません。市民生活のみならず、温泉観光地・熱海にとって新型コロナウイルスの影響は非常に大きいものがあります。

高齢化率の高い熱海市にとって、その発症と重症化をできる限り減らすため、今後ともワクチンの接種をはじめ、感染予防対策を着実に進めてまいります。また、コロナ禍における短期的な経済対策として、これまでの首都圏に加え、中京圏・関西圏へのプロモーションの強化を図るとともに、花火大会の追加開催などを実施してまいります。

同時に、一般観光客に加え、企業向けプロモーションを行い、熱海への旅行需要の平準化を図り、宿泊客数・観光消費の増加に取り組みます。

この取り組みにより、新たな市場の開拓を図り、コロナ禍からの脱却のみならず、温泉観光地・熱海の更なる躍進につなげてまいります。

熱海2030ビジョンの実現

伊豆山土石流災害からの復興、及びコロナ禍からの脱却と躍進は、熱海市の喫緊の課題でありますが、熱海市が持続的に発展するため、「熱海2030ビジョン」も同時に進めていく必要があります。

1. 観光・経済の活性化

観光・経済の活性化については、雇用を確保し、人口減少に歯止めをかけるためにも、基幹産業である観光業の振興が必須であり、今後とも力を入れていかなければなりません。

まず、官民協働により、熱海市の多様な観光資源を最大限に活かした政策を機動的に進めるため、観光地経営の視点に立った舵取り役としての熱海版DMO(観光地域づくり法人)を設立します。

また、市税収入が今後とも減少していくことが予想される中で、中長期的に観光財源を着実に確保するため、宿泊税などの導入を進めます。この原資を活用し、熱海市の魅力を更に高める観光インフラの整備などに取り組んでまいります。

これまで、市内事業者の経営支援を「熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)」が担ってまいりましたが、今後は個店の支援に加え、熱海市の社会課題を解決する企業の誘致にも取り組んでまいります。これにより、観光産業の裾野を広げ、雇用の選択肢を広げるとともに、より厚みのある産業構造につなげてまいります。

2. 教育・福祉の充実

教育・福祉の充実については、経済が活性化し、来遊客や宿泊客が増えたとしても、人口が減り続ければ、基礎自治体としての存続さえ危ぶまれます。このため、市民の誰もが長寿・健康・生活の豊かさを享受でき、手厚い子育て支援、充実した教育環境を整備し、市内に住み続けたい、あるいは市内に移り住みたいと思われる環境を作っていく必要があります。

市内には、お子さんからご高齢の方、障害をお持ちの方や生活にお困りの方など、それぞれの福祉施策を必要とされる方がいらっしゃるとともに、同時に複数の支援を必要とする場合も増加しております。このような複雑化・複合化した相談に対して、状況に応じたオーダーメイドの支援を行うため、市役所内のそれぞれの部署と地域の関係機関などが連携し、包括的な支援を行う、「重層的支援体制」を整備してまいります。

市内の児童・生徒数の減少が進む中で、教育カリキュラムの柔軟性が高く、教育効果も高まることが期待される小中一貫教育について、教育委員会とともに検討を進め、その実現を図ってまいります。

市内には既に、第二小学校と旧小嵐保育園を活用した認定こども園が開設しておりますが、幼稚園と保育園の機能を併せ持ち、子育て支援の拠点となる認定こども園の検討を南熱海地区で進めてまいります。

これまでの健康施策の実施経験を活かし、高齢者のみならず、全世代の健康度の延伸を引き続き図ってまいります。

3. 仕事・くらしの変革

仕事・くらしの変革については、人口減少、少子高齢化の進展などを踏まえ、市民の皆様のくらしの向上を目指し、中長期的な視点で対応してまいります。

地域コミュニティについては、その活動を支援する施策を進めてきたところですが、引き続き行政が町内会等と密接に連携して、地域コミュニティの存続と活性化を図ってまいります。

多様なライフスタイルに応じた住環境の整備は重要な施策です。民間住宅を含めた既存住宅ストックを活用した、良好な居住環境の実現と住宅市場の活性化に向けた施策を検討してまいります。

国の2050年カーボンニュートラルの実現を踏まえ、熱海市においても、2050年を目途に二酸化炭素排出量を実質ゼロとする、「ゼロカーボンシティ」を目指してまいります。

おわりに

熱海市は今、伊豆山土石流災害とコロナ禍という2つの大きな課題を抱え、戦後最も厳しい状況にあると言っても過言ではありません。

しかし、私は市役所、市議会、産業界、そして市民の皆様が一丸となって取り組めば、この難局は必ず乗り越えられると信じています。

これからの4年間、熱海市の先頭に立ち、どのようなことがあろうとも、私は逃げずに、諦めずに、腹を括って難題に取り組む覚悟であります。

議員各位、そして市民の皆様におかれましては、何とぞご理解とご協力をいただきますことをよろしくお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

令和4年9月28日

熱海市長 齊藤 栄

このページに関するお問い合わせ

経営企画部 秘書広報課 秘書室
〒413-8550 熱海市中央町1-1
電話:0557-86-6063 ファクス:0557-86-6076
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